2006年05月15日

春期限定いちごタルト事件

春期限定いちごタルト事件

【小説】春期限定いちごタルト事件
著:米沢穂信 出版:東京創元社



恋愛関係でもない。依存関係でもない。
小鳩くんと小佐内さん、同じ高校に合格した二人の関係は互恵関係。
逃げるためにお互いを盾に使う――それが二人の約束。
そして小市民を目指すべく日々精進……するはずが
気付けば探偵役になってしまう小鳩くんなのでした。




※以下ネタバレ



先月発売された「夏期限定トロピカルパフェ事件」が読みたかったのと
プラス、氷菓が面白かったので久しぶりに米澤さん作品。
一応出版社が出版社なのでカテゴリー的には「一般小説」に分類してますが
「まいじゃー推進委員会!」の極楽トンボさんが解説でおっしゃっている
とおり、ラノベファンにこそ楽しめるミステリです。

死体が出ません。チャリが盗まれますが、殺人事件は起きません。
主に学園を舞台とした、ちょっと不思議な謎を解いていく――
そんなスタイルのミステリです。
紛失したポシェット探し。美術部に残された2枚の絵。
おいしいココアの作り方。テスト中に割れたビンの謎。……などなど。
どう見ても死体が出てきそうな雰囲気はありません。
もしも探偵と警察のバトルや、犯人の自供が「出てこない」ミステリを
探しているならこの作品はまさにうってつけ。

二人が小市民を目指す理由は終始ぼかされたままです。
なんとなーく推測できるけど、想像の域を出ない。
それがいい味出してます。でも今後描写されるのかな。
特に小佐内さんの過去は気になるものがあるので
このまま直接的な描写がないままだと……。

小鳩くんの小学校時代の同級生、健吾が私は好きですねー。
中学3年間の空白の時間に小鳩くんに何があったのか、
彼も気になるところでしょう。
二人が一緒にいる時は、互いに信頼してるのがなんとなく分かると言うか。
小佐内さんがいる時とはまた違った顔が見えてドキリとします。

1本は短い短編でありながら、最後にはそれが繋がっていくラストは
氷菓の時と全く変わっていない、お見事な締めくくり方でした。

「僕が思うに、これは×××で片がつく」
小鳩くんが推理を始める前のこの科白が好きです。
posted by おじょう at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ラノベ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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