
【ラノベ】砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
著:桜庭一樹 出版:富士見書房
自称人魚の転入生は、ガタガタと震えながら
2リットルのペットボトルに入ったミネラルウォーターを一気飲みし、
口から水か涎かわからない液体を垂らし、
「う、う、う……ううう海野藻屑です」と自己紹介した。
※以下ネタバレ
いつもはうっかり忘れて科白紹介なんてものもしていませんが、
今回は特別。冒頭で紹介してやろうなんちゃって。
「俺は大人になって、教師になって、スーパーマンになったつもりだったから。ヒーローは必ず危機に間に合う。そういうふうになってる。だけどちがった。生徒が死ぬなんて」
一部省略して載せてます。この科白が良かった。ぐっときた。
担任の科白なんですけどね。
最初は頼りない先生かと思ったけど意外と熱血で、いい人でした。
科白からもわかるとおり、これは冒頭でいきなり暴露されることですが
藻屑が死にます。しかもバラバラ殺人です。
この時点で気持ち悪いと思った人はこの本は手に取らないほうが
身のためかもしれません。もっとグロテスクな描写も出てきますから。
少女向けのフリフリなイラストでもカバーできていないほど強烈です。
ただ、本当に読まないのはもったいないですね。
13歳という微妙な少女の心の揺れ具合や
引きこもりお兄ちゃんが「貴族」を捨てるシーン、
藻屑が嘘をつかなければならない理由を語るところなど
繊細な心理描写は見ものです。
きっと、普段ラノベを読まない方の心にも深く残る作品だと思います。
しかしまさか、隣の席の好きだった男の子が
モップで叩かれて恍惚としてるシーンがラノベで出てくるとは……。
見ているこちらが恥ずかしい。彼のその後の人生が気になる。
ところで、ウサギを殺したのは誰なのでしょうか。
いくつかレビューを読みましたが言及している人はいなかった……。
もしかして本文中で書かれてた???
ウサギの頭が鞄に入ってた理由がわかりません……。
先生はひきこもりは先生の弟が〜って言ってたけど
先生本人がひきこもり経験者のようにも見える。
「マルタ〜」に続きこちらも200ページ程度の短い作品ですが
内容は濃いです。

